About Plant Quarantine[植物検疫について]

植物検疫のはじまり

1859年ごろ、当時フランスではブドウのうどんこ病による被害が問題になっていたため、この病害に抵抗性をもつ苗木を米国から多量に輸入したところ、その苗木に付着していたブドウフィロキセラ(和名:ブドウネアブラムシ)が侵入してしまいました。
ヨーロッパ系ブドウはこの害虫に弱く、10年足らずのうちにフランス全土に蔓延し、フランスのブドウ園は壊滅的な打撃を受けることとなりました。 隣国ドイツではこの害虫の侵入を警戒し、1872年に「ブドウ害虫予防令」を公布し、繁殖用ブドウ苗木の輸入を禁止しました。
これが世界最初の植物輸入検疫です。

協会と植物検疫との歩み

我が国では、米以外の食糧のほとんどを輸入に依存する一方、近年におけるその他農林生産物の輸入量増加、品目の多様化には目を見張るものがあります。
しかし、このような状況下では病害虫が侵入する可能性が非常に高く、一度病害虫が侵入してしまうと、これらを撲滅するためには多額の費用と多大な時間を要することになります。
そのことからも、輸入植物に付着してくる病害虫を水際で阻止することは、農林産業保護の観点から極めて重要な役割を果たしています。
大阪植物検疫協会は、敗戦の傷がまだ癒えず食糧確保が国家の至上命題であった時代背景の中、大阪港における植物検疫が公正・確実に行われるための非営利組織として、昭和27年12月に「大阪植物防疫協会」の名の下に発足しました。輸入農産物の増加に伴い、輸入関係企業・団体や植物検疫機関に協力し、検疫業務が迅速・円滑に行われるよう努めるとともに、公共の福祉に寄与することを目的と掲げ、創立20周年の節目を迎えた昭和47年8月に、大阪府から法人格を取得して「社団法人大阪植物検疫協会」と名称変更しました。
その後、公益法人改革により平成24年4月1日に大阪府の認可を取得し、非営利型の「一般社団法人大阪植物検疫協会」として新たに誕生いたしました。
これからも協会は、大阪港での植物検疫に関する事業活動を通じて21世紀の日本の農業・自然を守る一翼を担い、公共の福祉に寄与できるよう努めてまいります。

植物検疫の流れ

click協会職員の業務活動紹介

輸入貨物の到着
植物、輸入禁止品等輸入検査
申請書の入力等
検査・消毒等巡回予定表の立案
輸入検査の立会
防疫官と検査後の打合せ
合格
(検疫有害動植物が発見されなかった場合)
会員(申請者)への検査結果の連絡
不合格
(検疫有害動植物が発見された場合)
消毒
廃棄
積戻し
植物検査合格証明書の発給

大阪港に輸入されている貨物

大阪港に輸入されている貨物

我が国が警戒している重要病害虫

こん包材の流れ

貨物に付随して輸入される木材こん包材は、通常製材されたままで未加工の木材が使用されることが多く、また、こん包材は、その主体が通常は植物検疫の対象とならない工業製品等であります。このことから、植物検疫の対応とされていないため、検疫有害動植物の侵入及びまん延の経路となり大きな被害をもたらす危険性が生じます。そのため、こん包材の検疫措置については国際基準の必要性が認識され2002年3月に国際機関により国際基準第15として制定されました。農林水産省は「輸出用木材こん包材消毒実施要領」を制定し、消毒証明実施機関として(一社)全国植物検疫協会が登録されました。(一社)大阪植物検疫協会は(一社)全国植物検疫協会と業務委託契約を締結し、こん包材生産者の登録や消毒実施者の認定を行っています。

輸出用木材こん包材消毒証明概要

輸出用木材こん包材消毒証明概要
輸出用木材こん包材消毒証明概要
輸出用木材こん包材消毒証明概要
輸出用木材こん包材消毒証明概要
輸出用木材こん包材消毒証明概要
click
click
click
click

お電話でのお問い合わせ

06-6571-4051